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コーチ特集3 藤森啓介 『Commander』 vol.2

2012/10/26

本気でしなければ意味がない。本気で怒らなければ伝わらない。求めるのは本気。チームとしての熱さがどれだけあるかが大切なんです。ぬるい雰囲気、ミスに対しての甘さは許されない。スタッフと選手がどれだけぶつかり合い、お互いを理解できるかが大切だと思っています。現在~未来へ続く早稲田摂陵ラグビー部を導く『Commander』
 
大会も3戦目(決勝トーナメント)になりましたがチームの状態はどうですか?

徐々に上向きになっています。練習内容も変化しているし、チームの雰囲気もだいぶ変わってきて、良くなってきています。
 
1戦目の評価は?

グランド状態を考えれば、あのような点差は妥当かなと思う。下のボールへの反応は抜群だったと思うし。これは早稲田として評価されるべきポイントであり、身体を張っていたのでゲーム自体は良かった。
みんな良かったけど、特によかったのは上原ですね。チームに推進力を与えました。練習中一番怒られるのは彼ですけどね(笑)意識の部分というか感覚でラグビーをやりすぎているので、しっかりとした基本動作を覚えれば、彼はもっと良くなると思っています。ムラがあるのでそこは改善してほしい部分です。チームとしての連動性を彼はマスターしなければならない。
 
1戦目は早稲田の大先輩が教えている生野高校が試合を先にしていました・・

そうですね。アップがあったので前半だけしか見ていませんが、早稲田出身者が作るチームは似ていますね。素晴らしいチームだと思いました。
 
どういった部分で?

熱さですかね。特に身体を張るという部分において他のチームとは意識が違う。すごいタックルをしていました。
 
試合後は話されましたか?

いえ、お互い時間が合わずお話しすることができませんでしたが、メールで連絡させていただきました。先輩には『この場所で良く目立つ標準語(笑)で檄を飛ばしていたので邪魔してはいけないと想い遠慮しました』とメールが来ました・・・。そんなに目立ちますかね?(苦笑)
 
2戦目の評価は?

相手が思ったよりも良かったのが素直な感想。激しいDFと何人かのキープレイヤーに苦戦した。全体的には低調なパフォーマンスであり、危機感は相当あったね。その中でも、0点は評価されるべきところかな。両翼がよく仕事をしてくれた感じです。
 
2試合連続完封については?

評価しています。3年間、2年間、1年間、計画的に物事を進めた成果です。ただ、1対1の部分で負けている選手もいたので練習しなければならないし、メンバーも考えなければいけない。
 
和由も帰ってきた

彼のバックボーンを知っているので、ピッチに立った時は本当にうれしかった。そして、部員の温かさを感じたね。復帰を素直に受け入れる彼らの姿は、仲間を思いやることができる人物に育った証だったね。
 
 
次は四条畷戦。ポイントは?

接点での攻防になるかな。あとはいかに規律を守れるか。昨年戦ったイメージだと、BKは良い選手が揃っていたので注意したい。油断こそ最大の敵なのでベストメンバーで行きます。
 
これからの試合に勝つためのポイントを教えてください


一人一人の意識の向上と覚悟ですね。練習中から自らの判断で動く、ポイントによる、離れるという判断を的確により多くできるか。そのためにはコールが必要。まだまだ、コールが足りなくてミスするシーンがある。これは2手、3手先を見据えた準備ができていない証拠。この部分を改善していけばさらにチーム力は上がる。
 
次の試合の意味とは・・・

もちろん負ければそこで引退なので、絶対に負けるわけにはいきません。そして、2年間越えられなかった壁を乗り越えるためにも、3年目の証明をしたいと思います。
 
話は変わりますが、他の早稲田大学の附属、系属校で残っているのは早稲田摂陵と早稲田学院だけ


母校が残っているのはうれしいことですが、夏合宿でうちが勝った時は複雑でしたね。生徒は僕の母校に勝ってうれしそうでしたが、僕は学院に育ててもらったので一緒にがんばっていけたらと思います。今週末は大東文化一高みたいなのでお互い厳しい戦いになると思いますが、がんばってほしい。
母校に愛着はありますが、今自分がいるのは早稲田摂陵。ここを日本一のチームにするのが僕の役目であり、夢です。早稲田系列の中では一番強いチームを作りたいと常に思っています。早稲田系列でフルタイム指導をしているのは早稲田摂陵だけですし、どのチームにも負けたくない、早稲田の中でも負けたくない。僕は生徒より負けず嫌いです。(笑)
また、うちの学校から早稲田大学に進学して、ラグビー部で活躍してくれる選手をどんどん育てたいと思っています。どれだけ早稲田を好きになり、ラグビー部で学んだことを世界で生かしていく人材を育てたい。
 
世界という言葉が出ましたが

どの分野でもトップを目指してほしい。一番になるための努力、その分野を究めたエキスパートを育てる。そのために、今本気でやり、やれば結果は付いてくると思わせたい。経験こそが未来の扉を開くものだと思います。先日、3年生は特別にイベントを行い、ゆっくり話す機会を設けました。僕の中で3年生の扱いは違います。それは毎年のことですが、彼らの力こそチームの危機を救ってくれるものだと思うので、今は3年生と多く話して、コミュニケーションをとるようにしています。その中で夢や希望を持った発言を聞いたので、それに向かって正直に生きてほしい。
最近では教員になって僕をいつか倒したいという発言もたくさんあります。(笑)
 
敵は多いですね(笑)

そうですね(笑)でも、すごい嬉しいですよ。超えれるものなら超えてみろと思っています。自慢じゃないですけど、僕を超えるということは相当な経験を積まなければいけないと思います。そんな奴が現れたら純粋に嬉しいですし、対戦したいですね。師弟対決でラグビー界を盛り上げるようなことをしたい。僕の夢の一つですね。そのためには、僕か彼らが世界に飛び出して、さらに進化したラグビーをする必要はあります。
 
早稲田大学のコーチ時代にもたくさんの外人コーチから影響を受けました

はい。日本と違った角度からラグビーを教えてくれてかなり勉強になった。海外はすごいですよ。ラグビーの文化が根付いていますから。南アフリカのシャークスアカデミーのチャールズや元ジャパンのマイケルバーンなどからたくさん新しいことを習った。指導は細かく、斬新的な練習で今の自分の練習にも生かされている。その一つ一つを藤森ノートに書き留めています。高校生の時からラグビーノート作っています。今の生徒が僕の練習を書き留めている選手がいたら、僕を超える可能性はありますね。
 
話は戻りますが、これからは毎週厳しい戦いですよね


そうです。1点、2点を争うゲームになると思います。油断こそ最大の敵。
彼らがどれぐらい危機感を抱いているかですね。やることをやってあとは信じるのみです。
 
そのために生徒のモチベーションを高めるPVを作成している

彼らが、毎試合モチベーションが上がるようにPVを作っています。けっこう構成は大変ですが、いろいろな方が映像機材をラグビー部の為に提供してくださるのでとても助かっています。
映像機器だけでなく、試合後の差し入れや日頃からの支援は本当に感謝しています。そのためにも僕らは勝って恩返ししなければならないと思います。
 
最後に皆さんに一言

今を熱く生きている彼らの姿を観に来てほしいなと思います。グランドに答えはあります。
彼らは本当に成長しています。応援してください。