VS上宮太子「大澤組に生まれた責務。熱さこそが早稲田ラグビー」
2018/11/09
11月4日 VS 上宮太子
責務。
この試合に向かうに当たって責務が足りなかった。
一向に上がってこないチームの熱。一生懸命に練習はしている。それは認める。だが、早稲田ラグビーにとって最も大切な「熱」がグラウンドにはなかった。なかったではないか。充満していなかった。
一人一人の熱が結びつかない。まるでマッチ棒だ。燃えては消えるこの事態にチームの成長とまとまりは遅れた。誰のせいでもない。ただ、どうすればわからなかっただけだ。最後に残された線香花火に火をつけた。
ラストチャンス。気づけるのか気づけないのか。3年生に託された答えを見守った。練習に出なかった。それに気づけばコーチが教えるよりもはるかにチームは成長する。気づけなければ結果は最悪なものになる。大澤組はここまでか。それともさらに成長できるかの賭けに出た。
そして、彼らは正しい答えを導き出した。見違えるようなチームのまとまりにこの試合に懸ける想いを全部員が理解した。それは主将の大澤が変わったからだ。そして、3年生が変わったからだ。
前日のミーティングではこのジャージに袖を通す意味を考えた。この赤黒に込められた歴代のOBの想いを感じ取る。それができればすべきことは理解できるはずだ。
加えてマネージャー作成のモチベーションPV。この出来に部員もコーチ陣も驚かされた。高校生が作成したとは思えない完成度。
これで託す側と託される側の想いは共有された。
アップでは大澤を中心に何度もチームの心を一つにした。
それでも不安が拭えたわけではない。今年のチームは決して簡単なゲームは一つもなかったからだ。それをよく理解しているからこそ、挑戦者としての心を植え付けてこのゲームに臨んだ。
下から上がってくるチームは良いプレーをする。これは何年間もの経験だ。加えて色々な条件が加わる。その条件にすら負けない準備が必要になる。
11時30分キックオフ
開始からお互い譲らない。想いの強さはどちらも同じである。それは理解している。我慢比べ。どちらが先に心理的優位に立てるか。
最初にチャンスを得たのは早稲田摂陵。ゴール前で得たラインアウトからモールを押し込みトライを挙げる。緊張感のある試合での先制点。ゲームのポイント。
しかし、上宮太子で最も危険な選手である12番にDFをブレイクされトライをされてしまう。ゴールも決まり再びゲームは振り出しに。
その中でゲームを動かしたのはやはり大黒柱である大澤。
一瞬のギャップを逃さず裏に抜け出すと最後は1対1を制し、ゴール中央にトライ。責任と使命を背負う男がゲームを動かせばそれに共鳴するのは当たり前のこと。
さらに追加点をFWが挙げて、前半を1トライに抑えて終えるはずだったが、無理して攻めたところを逆襲に遭い、トライを献上する。
26-14
ハーフタイム。ここが一番大事な場面である。得点はリードしている。だが、その慢心はゲームを窮地に陥れるはずだ。プランを明確に。そして、今の状況とこれからすべきことを明確にし、最も大切なこの試合に懸ける想いを再び全員で共有する。コーチの言葉に耳を傾ける選手たち。以前のようなまとまりがない集団の姿はない。はっきりしたこと。想いを共有し、それをまとめる人物、まとめる学年が正しい振る舞いをすれば自ずと結果はついてくるもの。
後半の開始15分が大切。0-0の気持ちでスタートして後半のスコアでリードしようとコーチから話があった。
後半最初の得点も早稲田摂陵であった。しかし、そのあと得点するのは上宮太子であった。得点を奪ったとにもう一回得点を重ねなければならない。そうしなければゲームは拮抗してしまう。その後、ゲームの流れが上宮太子に傾いたのを感じたコーチ陣はプランの変更を考え、ゲームが切れたら作戦を変えようとしたが、そのプレーでWTBの小野がインターセプトから60mを走りきり、得点を奪った。そこから得点を重ねて相手を突き放すことができた。
最終スコアは45-19
1年生のメンバーも試合に出場した。これはグラウンドでのパフォーマンスが良かったからであり、実力で奪ったものである。しかし、課題は多い。フィジカル面での向上はこのチームの課題であり、携わるすべての人間が考えなければいけない事柄である。とりわけ1年生の問題である。
最後には得点を奪われた。それよりも奪われたあとのインゴールでの振る舞い方に注目していた。大澤を中心に円陣を組み、チームの気持ちを一つにまとめていた。ノーサイドの笛が鳴るまで最後までまとまり続ける、出ることができない人間の想いを背負う。円陣で最も火をつけることができるのは唯一彼だけに許された、彼だからできることである。それはこの1年間苦しみを背負い続けた漢だからである。今はもう、まとまりがない、彼の声に耳を傾けない漢はこのチームには誰もいない。誰もがこの漢を信頼し、共鳴し、一つのチームとして相手に向かって行くことができるようになった。
3年生がわずか8人。それでも先輩たちが築いてきた伝統を継承し、この舞台までたどり着いてきた。準決勝に残ったチームの中で推薦もなければ、経験者の人数も圧倒的に異なる。それでも努力で這い上がってきたのは歴代の先輩たちの背中があったからである。ジャージに託された歴代のOBの想いを感じることができているだろう。
ついに迎えた準決勝・東海大仰星。
日本一のチームに対して大澤組はどう向かうのか。
問われるワセダとしての使命と責任。赤黒に袖を通したもののミッション。
11月11日(日)14:00@東大阪市グラウンド
大澤組に携わるすべての人の想いを感じる60分間へ。
責務。
この試合に向かうに当たって責務が足りなかった。
一向に上がってこないチームの熱。一生懸命に練習はしている。それは認める。だが、早稲田ラグビーにとって最も大切な「熱」がグラウンドにはなかった。なかったではないか。充満していなかった。
一人一人の熱が結びつかない。まるでマッチ棒だ。燃えては消えるこの事態にチームの成長とまとまりは遅れた。誰のせいでもない。ただ、どうすればわからなかっただけだ。最後に残された線香花火に火をつけた。
ラストチャンス。気づけるのか気づけないのか。3年生に託された答えを見守った。練習に出なかった。それに気づけばコーチが教えるよりもはるかにチームは成長する。気づけなければ結果は最悪なものになる。大澤組はここまでか。それともさらに成長できるかの賭けに出た。
そして、彼らは正しい答えを導き出した。見違えるようなチームのまとまりにこの試合に懸ける想いを全部員が理解した。それは主将の大澤が変わったからだ。そして、3年生が変わったからだ。
前日のミーティングではこのジャージに袖を通す意味を考えた。この赤黒に込められた歴代のOBの想いを感じ取る。それができればすべきことは理解できるはずだ。
加えてマネージャー作成のモチベーションPV。この出来に部員もコーチ陣も驚かされた。高校生が作成したとは思えない完成度。
これで託す側と託される側の想いは共有された。
アップでは大澤を中心に何度もチームの心を一つにした。
それでも不安が拭えたわけではない。今年のチームは決して簡単なゲームは一つもなかったからだ。それをよく理解しているからこそ、挑戦者としての心を植え付けてこのゲームに臨んだ。
下から上がってくるチームは良いプレーをする。これは何年間もの経験だ。加えて色々な条件が加わる。その条件にすら負けない準備が必要になる。
11時30分キックオフ
開始からお互い譲らない。想いの強さはどちらも同じである。それは理解している。我慢比べ。どちらが先に心理的優位に立てるか。
最初にチャンスを得たのは早稲田摂陵。ゴール前で得たラインアウトからモールを押し込みトライを挙げる。緊張感のある試合での先制点。ゲームのポイント。
しかし、上宮太子で最も危険な選手である12番にDFをブレイクされトライをされてしまう。ゴールも決まり再びゲームは振り出しに。
その中でゲームを動かしたのはやはり大黒柱である大澤。
一瞬のギャップを逃さず裏に抜け出すと最後は1対1を制し、ゴール中央にトライ。責任と使命を背負う男がゲームを動かせばそれに共鳴するのは当たり前のこと。
さらに追加点をFWが挙げて、前半を1トライに抑えて終えるはずだったが、無理して攻めたところを逆襲に遭い、トライを献上する。
26-14
ハーフタイム。ここが一番大事な場面である。得点はリードしている。だが、その慢心はゲームを窮地に陥れるはずだ。プランを明確に。そして、今の状況とこれからすべきことを明確にし、最も大切なこの試合に懸ける想いを再び全員で共有する。コーチの言葉に耳を傾ける選手たち。以前のようなまとまりがない集団の姿はない。はっきりしたこと。想いを共有し、それをまとめる人物、まとめる学年が正しい振る舞いをすれば自ずと結果はついてくるもの。
後半の開始15分が大切。0-0の気持ちでスタートして後半のスコアでリードしようとコーチから話があった。
後半最初の得点も早稲田摂陵であった。しかし、そのあと得点するのは上宮太子であった。得点を奪ったとにもう一回得点を重ねなければならない。そうしなければゲームは拮抗してしまう。その後、ゲームの流れが上宮太子に傾いたのを感じたコーチ陣はプランの変更を考え、ゲームが切れたら作戦を変えようとしたが、そのプレーでWTBの小野がインターセプトから60mを走りきり、得点を奪った。そこから得点を重ねて相手を突き放すことができた。
最終スコアは45-19
1年生のメンバーも試合に出場した。これはグラウンドでのパフォーマンスが良かったからであり、実力で奪ったものである。しかし、課題は多い。フィジカル面での向上はこのチームの課題であり、携わるすべての人間が考えなければいけない事柄である。とりわけ1年生の問題である。
最後には得点を奪われた。それよりも奪われたあとのインゴールでの振る舞い方に注目していた。大澤を中心に円陣を組み、チームの気持ちを一つにまとめていた。ノーサイドの笛が鳴るまで最後までまとまり続ける、出ることができない人間の想いを背負う。円陣で最も火をつけることができるのは唯一彼だけに許された、彼だからできることである。それはこの1年間苦しみを背負い続けた漢だからである。今はもう、まとまりがない、彼の声に耳を傾けない漢はこのチームには誰もいない。誰もがこの漢を信頼し、共鳴し、一つのチームとして相手に向かって行くことができるようになった。
3年生がわずか8人。それでも先輩たちが築いてきた伝統を継承し、この舞台までたどり着いてきた。準決勝に残ったチームの中で推薦もなければ、経験者の人数も圧倒的に異なる。それでも努力で這い上がってきたのは歴代の先輩たちの背中があったからである。ジャージに託された歴代のOBの想いを感じることができているだろう。
ついに迎えた準決勝・東海大仰星。
日本一のチームに対して大澤組はどう向かうのか。
問われるワセダとしての使命と責任。赤黒に袖を通したもののミッション。
11月11日(日)14:00@東大阪市グラウンド
大澤組に携わるすべての人の想いを感じる60分間へ。