大きくする 標準 小さくする

VS刀根山高校 今進むべき道

2010/10/01

 

試合後の彼らの表情がすべてを物語っていた。勝ったけれども誰もが思っていたに違いない。こんな試合をしていては次の試合は絶対に勝てないと。
敵は己。『現状の殻を破ろう』と決意した前日のミーティング。 今進むべき道を遅くまで議論し、思いの丈をぶつけ合った3年生。しかし、ノーサイドの笛を聞いた瞬間、そこには笑顔はなかった。

「 もう一度チーム全体で意識改革をしなければ・・・・  」(庄村光史)。

この試合のマッチスローガンは『コミュニケーション』前回の試合で出た課題をこの2週間いろいろな形で練習してきた。 いま求められていること、それはコミュニケーション!コミュニケーション=意志、そして責任あるプレーなのである。自分のプレーに意志を持て!思っていること、プレーすることを周りに伝えろ!ボールを持たないときこそ大事な仕事がある!ラグビーはボールをもらう前に勝負は決まっている。それこそ今感じ身につけるべきこと。

対戦相手は刀根山高校。
思い返せば4月の初め。彼らと出会い初めてみた練習相手が刀根山高校だった。組み合わせを見たときこれは運命だと思った・・・・・・
お互いが意識した相手。負けるわけにはいかない。

11時10分 キックオフ 

前半、ブレイクダウンで圧力をかけるものの、自らのペナルティーの多さでリズムが掴めない。一つのテーマであったノーペナルティーが守られないのはモラルのない証拠。
練習中からモラルのあるプレーとは何かを問いかけ、大学、JAPANS14などの映像で確認しているにも関わらず改善しないのは、チームとしてのdisciplinがまだまだ足りないということ。その大きな原因は、コミュニケーションそしてリーダー不在!大学なら誰からともなく発せられる「早稲田ノーペナルティー」コール。ここ一番での集中力やファーストプレーのこだわり。ミスをした後のリカバリーの責任・プライド。その姿は今の彼らにはなかった。はたまた期待するのは酷なのか? それでも試合は、徐々にブレイクダウンで圧力をかけ前半をなんとか19-0で終える。

ハーフタイム。監督、コーチからの指示がある。

後半も相手の激しいDF、自分たちの意志統一のなさにミスを重ねリズムが掴めない。 そしてペナルティーからモールを押し切られトライを許すという最悪のパターンで今大会初失点。さらには12番のプレーヤーに中央を切りさかれ、トライを許す。早稲田のスタンダードが崩壊しては失点するのは当たり前。 最後にペナルティーからなんとか1トライを返し、結果は38-12。

試合終了の笛を聞いて、ある人が言っていたことを思い出した。「自分のプレーができて当たり前、人を動かして半人前、ゲームメイクができて一人前」この言葉が今の早稲田摂陵にはぴったり。次の試合からは負ければ終わり。このようなプレーをしていれば格上のチームに勝つことは出来ない。1つのゲームメイクミスや判断ミスが命取りとなる戦い。早稲田は常に『挑戦者』・・・・
この気持ちこそ早稲田が持つべきDNA
次こそ早稲田のプライドを・・・・・・・

*保護者の皆様、OBの皆様、関係者の皆様、応援ありがとうございました。
次回は10月31日、万博競技場で高津高校と対戦いたします。

 

 

(FWリーダー庄村光史)

僕達は刀根山戦に「コーリングの意識」や「ノーペナルティゲーム」などのテー
マを掲げて練習に取り組んできました。
しかし、コーリングは満足できるものではなく、ペナルティも多発、さらには得
点まで許してしまう結果になってしまいました。次の高津戦まで残り1ヶ月しかな
い中で、もう一度チーム全体の意識改革をしなければならないと感じました。

 

(WTB熊澤匡純)

刀根山戦を戦い抜き、次の試合へのやるべきことが自分達で自覚することが出来たのでよかったです。例えば、相手のレベルや試合状況に対応して戦術を考えることや、スイープなど基本的な動きの確認をすることが、メンバー全員で出来たことです。
なによりも勝ってやるべきことを自覚できたことが次の試合への大きな財産だと思っています。この大きな財産を生かして次の試合に勝ちたいと思います