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VS桜塚高校「戦術的負荷に込められたメッセージ。その答えから導き出される現在の立ち位置と課題」

2018/04/25

大澤組に与えられた課題。試合で勝つためにはそのテーマにどれだけハングリーになれるか。自分自身が何をできるのか、しなければいけないのか。それを考え、プレーする。それができた60分後なら、きっと勝利の2文字に近づいてくるはずだ。日々練習で成長し、そして試合でその成果を試す。

今日の暑い日差しの中でそのテーマにチャレンジするには過酷だったもしれないが、練習と試合ではプレッシャーは異なる。練習で出来ていることでも相手をつければ目の前の状況や判断は異なる。それに加えて夏を思わせる炎天下でのプレーは選手の判断を鈍らせ、遅らせる。その数ミリ、コンマ何秒の世界がGOODプレーとBADプレーへの境界線。その速さ。すべて速さに込められる。判断の速さ、セットの速さ、コミュニケーションの速さ。速さを導き出すのはプレーモデル。選手の判断力を上げる為にはその状況を設定して練習しなければいけない。いきなり出てきた状況に選手が状況判断が対応できるほど簡単なスポーツではない。

気象条件は相手チームも同じこと。気候と相手をコントロールすることはできないので、いかに自分達をコントロールするかが大切である。現在までにコーチから教えられている判断から正しい答えを導き出す。教えられていないことはできないので仕方がない。できないのもコーチの指導が行き届いていないからだ。

新人戦から3か月。あの時は何もできていなかった。その3か月で戦術的な種を蒔いた。彼らなら今日のテーマをできるはずだ。それは何も偶然ではなく、練習していることから導き出される確信。それでもぬぐいきれない不安と疑心を持っていながらの試合。まだまだ我々は自分たちのことを信用できるほどの場数と修羅場をくぐってきていない。ただ、時間は待ってくれない。今、この試合で成長するためには、勝つためには、秋の大会には必要なテーマである。

試合開始。幸先よく先制するが、どこか安定感がない。それは細かいプレーに現れる。細部にこだわっていない。なのでフィフティーフィフティーのプレーをしてしまう。それが一概にダメだとは言えないが、惜しいという言葉寄りでもない。練習していたが、試合寄りではなく練習よりである。緊張感、厳しさが練習で出てこなければ試合では通用しない。試合よりも厳しい負荷とプレッシャーの下で練習してはじめて試合に使えることにまだまだ気づいていない。

それでも得点を重ねていく。新人戦よりは自分たちがしなければいけないことがわかっているので、ゲーム運びは以前より容易になる。


一方で、このチームの問題である自分中心の考え方。自分さえよければ良い。このプレーのゴールは?目的は?そのストーリーの中でしなければいけないプレーと責任は何なのか。

できない理由は2つ。

1 一つはそのプレーをするためのスキルがなく自信がないので実行しない。できない。テクニックとスキルは異なるからだ。

2 チームの為にプレーしていない。

もし2であれば論外である。きっと1が理由であるのでコーチはその選手ができるまで導いていく必要があるだろう。

「お膳立てする」ことができない。

この言葉が今の我々の立ち位置であり、課題である。

周りを見渡せば、自分よりも遥かに良い状況にいる人間へのパスができない。自分がトライを取りたいという前向きな姿勢は良い。だけれども、より高いレベルに行き着きたければ、人へのお膳立てをすべきだ。自分だけでトライを取るのはまだまだ2流だ。人にトライさせるのは1流の証である。その1流になる為には普段からもっと「気づき」を持つべきだ。部室の中、グラウンドの中、学校生活の中で。

前半も後半も得点を重ねることができ、最後まで攻め続けた。

試合の中で良い部分も悪い部分も見れた。結果は78−0。確かな成長は自分たちで感じているはずだ。

その成長スピードをあげる為の鍵はフィジカルUP。

大澤組の選手よ。今日の試合のメッセージはフィジカルUPこそが君たちの運命を決める。それに気づくことだった。