VS大阪商業大学高校【何の為に、誰の為に。問われるワセダラグビーのアイデンティティー】
2017/11/10
三宅組花園予選開幕
VS大阪商業大学高校
ついに迎えた花園予選。
春の大会でシード権を獲得し、準々決勝から登場の三宅ワセダ。
シード対ノーシードの構図に誰もがシード校有利と考えているが、それは全くもって見当違いである。昨年決勝に出た平田組でさえこの準々決勝後半の途中まで同点と拮抗していたのだ。つまりこの大阪という激戦区において最も難しい試合である。そしてシードだろうが、ノーシードだろうが関係ないのが高校スポーツ。ちょっとしたボタンのかけ違いでそのままゲームが終了することは数知れず。
我々のように経験者が少なく爆発的な力のないチームなら尚更のこと。
だからこそこの試合に向けてしっかりと準備をしてきた。
相手との実力差はない。その状況下で大切なのは3年生の意地とワセダとしての誇り。何と言っても3年生が背中で、行動で、態度で示さなければそれは下のものに示しがつかない。口だけの男に誰もついてこない。結果を示さない男には誰も信用と信頼を寄せてくれない。この最後の大会ではそれがはっきりわかる試合である。
【お前はワセダか】
【お前はワセダのラガーマンとして正しい姿勢と態度を示してきたか】
【下級生に尊敬されるだけの努力をしてきたか】
【それを示すのが花園予選】
【俺の背中についてこい】
【俺が一番チームで体を張る】
そんな発言と態度が3年生が示せれば自ずとチームは一つにまとまっていく。
口で言うのは簡単だ。その言葉体現しろよ。言葉に責任を持て。
鐡笛で記したこと体現しろ。
【言うは易し行うは難し】
最も嫌われること、最もダサいのは口だけの何もしない男。
目の前の厳しいことに逃げるのか。続けるのか。タフチョイスできるか。
辞めるのは簡単だ。それは逃げただけだ。何かと理由をつければかっこがついたかも知れないが、周りの人間にはわかる。
壁を乗り越えてきた分だけ人は色々なものに耐性がつき、大きなものを背負える人間になる。
アップから3年生がチームを盛り上げていく。その熱に反応するかごとく下級生たちがついていく。徐々にチームとしてのまとまりをアップで感じ、託す側と託される側の気持ちが北風で固まった。
12時20分キックオフ
試合開始早々からボールを継続し、幸先よく左隅に14番小野が先制トライ。
大事なゲーム。緊張感のある中でリードできたことは精神的に非常に大きい。60分間は長いようで短い。追いつこうと思えば、無理をしなければならない。リードしている方は無理する必要がない。だからこそ、先手を打てたことはゲームを運ぶ上で大事な要素だった。そしてその次の点数はさらに大事。そのことを強く強く言ってきたはず。7点を取れば、8点目をとる。14点を取れば、15点目をとる。1プレー、2プレーでは追いつけないそれが相手に精神的にダメージを与える。
そのことが発揮されたのか次の得点も早稲田摂陵。ミッドフィールドを抜け出し、フォローした120kgの3番高倉がゴールに飛び込みトライ。12-0。
しかし、そう簡単に相手も譲ってはくれない。9番12番のBKラインはパスをワイドに散らしていき、早稲田摂陵のDFに徐々にギャップを生み出していく。それに前半終了間際までは我慢していたが、最後の最後で中央のDFミスを突かれ、トライを献上する。12-5。
ここでハーフタイム。
予想通りの接戦。その状況に誰も慌てるものはいなかった。このストーリーは全部員が認識していたから。楽な相手など我々には存在しないし、相手の強さもわかっている。自分たちが悪かった点もコーチから言われなくてもわかっていた。
後半に入る前に大事なことはこの30分に全てを懸けること。それがチームとして大事なことであり、それは託される側の責任と使命だからである。
後半キックオフ。
後半最初に得点を挙げたのは早稲田摂陵であった。ゴール前のラインアウトからFWがショートサイドにこだわり、ゴールラインをこじ開けた。19-5
今日の展開であれば、次の得点が鍵を握る。DFは悪くないので取られても2トライだろうと予想できた。それならば次の1点が大事である。5点は必要ない。
後半15分。22mの右中間でペナルティーをもらった。
ここは間違いなくショットだとコーチ陣は思っていた。22-5のスコアになれば相手は3回得点できるエリアに侵入し、成功しなければならないからだ。しかし、彼らが選んだのはタッチキックからのFW攻撃であった。結果は得点できなかった。
彼らが自分たちで決めたことに責任を持ったことは良かった。現場での判断は大切だ。ラグビーは試合が始まれば、コーチではなく主将があらゆる判断に迫られる。身体をぶつけている本人たちにしかわからない感覚もある。だけれどもセオリーはショットだ。結果から判断するのは確かに簡単だ。だが、ショットを打ってスコアを広げてからトライを取りに行くことがベターであったとのちに知ることになる。
ここで得点できなかった早稲田摂陵はこのあと相手にボールを繋がれ、後半27分に
失点する。19-10。キックは外れた。
そのあとロスタイムでトライを奪い、26-10でノーサイドの笛を聞いた。
だが、19-12になっていれば展開は異なったはずだ。その状況に追い込まれたら我々のチームは精神的に不利になる。反則ができないならタックルは緩くなる。それも含めて勉強になった試合だ。
大商大さんの素晴らしいプレーに何度も苦しめられて掴んだ勝利。
次の相手はあの平田組が決勝で敗戦した常翔学園。三宅ワセダは何を想い、何の為に、誰の為に戦うのだろうか。歴代の赤黒に袖を通した先輩方の意思、プライド、熱さを継承することが次の試合では試される。
次のノーサイドの笛が鳴った後、ワセダの目の前に見える景色は。
大阪商業大学高校の皆様、ありがとうございました。想いを背負い戦います。
VS大阪商業大学高校
ついに迎えた花園予選。
春の大会でシード権を獲得し、準々決勝から登場の三宅ワセダ。
シード対ノーシードの構図に誰もがシード校有利と考えているが、それは全くもって見当違いである。昨年決勝に出た平田組でさえこの準々決勝後半の途中まで同点と拮抗していたのだ。つまりこの大阪という激戦区において最も難しい試合である。そしてシードだろうが、ノーシードだろうが関係ないのが高校スポーツ。ちょっとしたボタンのかけ違いでそのままゲームが終了することは数知れず。
我々のように経験者が少なく爆発的な力のないチームなら尚更のこと。
だからこそこの試合に向けてしっかりと準備をしてきた。
相手との実力差はない。その状況下で大切なのは3年生の意地とワセダとしての誇り。何と言っても3年生が背中で、行動で、態度で示さなければそれは下のものに示しがつかない。口だけの男に誰もついてこない。結果を示さない男には誰も信用と信頼を寄せてくれない。この最後の大会ではそれがはっきりわかる試合である。
【お前はワセダか】
【お前はワセダのラガーマンとして正しい姿勢と態度を示してきたか】
【下級生に尊敬されるだけの努力をしてきたか】
【それを示すのが花園予選】
【俺の背中についてこい】
【俺が一番チームで体を張る】
そんな発言と態度が3年生が示せれば自ずとチームは一つにまとまっていく。
口で言うのは簡単だ。その言葉体現しろよ。言葉に責任を持て。
鐡笛で記したこと体現しろ。
【言うは易し行うは難し】
最も嫌われること、最もダサいのは口だけの何もしない男。
目の前の厳しいことに逃げるのか。続けるのか。タフチョイスできるか。
辞めるのは簡単だ。それは逃げただけだ。何かと理由をつければかっこがついたかも知れないが、周りの人間にはわかる。
壁を乗り越えてきた分だけ人は色々なものに耐性がつき、大きなものを背負える人間になる。
アップから3年生がチームを盛り上げていく。その熱に反応するかごとく下級生たちがついていく。徐々にチームとしてのまとまりをアップで感じ、託す側と託される側の気持ちが北風で固まった。
12時20分キックオフ
試合開始早々からボールを継続し、幸先よく左隅に14番小野が先制トライ。
大事なゲーム。緊張感のある中でリードできたことは精神的に非常に大きい。60分間は長いようで短い。追いつこうと思えば、無理をしなければならない。リードしている方は無理する必要がない。だからこそ、先手を打てたことはゲームを運ぶ上で大事な要素だった。そしてその次の点数はさらに大事。そのことを強く強く言ってきたはず。7点を取れば、8点目をとる。14点を取れば、15点目をとる。1プレー、2プレーでは追いつけないそれが相手に精神的にダメージを与える。
そのことが発揮されたのか次の得点も早稲田摂陵。ミッドフィールドを抜け出し、フォローした120kgの3番高倉がゴールに飛び込みトライ。12-0。
しかし、そう簡単に相手も譲ってはくれない。9番12番のBKラインはパスをワイドに散らしていき、早稲田摂陵のDFに徐々にギャップを生み出していく。それに前半終了間際までは我慢していたが、最後の最後で中央のDFミスを突かれ、トライを献上する。12-5。
ここでハーフタイム。
予想通りの接戦。その状況に誰も慌てるものはいなかった。このストーリーは全部員が認識していたから。楽な相手など我々には存在しないし、相手の強さもわかっている。自分たちが悪かった点もコーチから言われなくてもわかっていた。
後半に入る前に大事なことはこの30分に全てを懸けること。それがチームとして大事なことであり、それは託される側の責任と使命だからである。
後半キックオフ。
後半最初に得点を挙げたのは早稲田摂陵であった。ゴール前のラインアウトからFWがショートサイドにこだわり、ゴールラインをこじ開けた。19-5
今日の展開であれば、次の得点が鍵を握る。DFは悪くないので取られても2トライだろうと予想できた。それならば次の1点が大事である。5点は必要ない。
後半15分。22mの右中間でペナルティーをもらった。
ここは間違いなくショットだとコーチ陣は思っていた。22-5のスコアになれば相手は3回得点できるエリアに侵入し、成功しなければならないからだ。しかし、彼らが選んだのはタッチキックからのFW攻撃であった。結果は得点できなかった。
彼らが自分たちで決めたことに責任を持ったことは良かった。現場での判断は大切だ。ラグビーは試合が始まれば、コーチではなく主将があらゆる判断に迫られる。身体をぶつけている本人たちにしかわからない感覚もある。だけれどもセオリーはショットだ。結果から判断するのは確かに簡単だ。だが、ショットを打ってスコアを広げてからトライを取りに行くことがベターであったとのちに知ることになる。
ここで得点できなかった早稲田摂陵はこのあと相手にボールを繋がれ、後半27分に
失点する。19-10。キックは外れた。
そのあとロスタイムでトライを奪い、26-10でノーサイドの笛を聞いた。
だが、19-12になっていれば展開は異なったはずだ。その状況に追い込まれたら我々のチームは精神的に不利になる。反則ができないならタックルは緩くなる。それも含めて勉強になった試合だ。
大商大さんの素晴らしいプレーに何度も苦しめられて掴んだ勝利。
次の相手はあの平田組が決勝で敗戦した常翔学園。三宅ワセダは何を想い、何の為に、誰の為に戦うのだろうか。歴代の赤黒に袖を通した先輩方の意思、プライド、熱さを継承することが次の試合では試される。
次のノーサイドの笛が鳴った後、ワセダの目の前に見える景色は。
大阪商業大学高校の皆様、ありがとうございました。想いを背負い戦います。