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卒部式 「二ノ丸組 最後の試合は最高の笑顔で」

2016/03/03


2月28日 


 
二ノ丸組12名は、最高の笑顔で卒部していった。
残された後輩にエールを送って。



 
あの花園の第二グランドで泣き崩れた日から100日余り。
命を懸けてグランドで戦っていた男達の顔からは、厳しい眼差しはなくなり、桜よりも少し早い笑顔が満開だった。

失われた100日。
その時間を埋めるかごとく、グランドではラグビーボールを追いかける二ノ丸組の姿があった。
花園に置いてきたものを取り戻す。
それはこの仲間との時間こと。あの日、奪われたこの仲間との夢の時間はこの日、再び動き出した。
 試合前の合わせではボールが手につかない、足が動かない、それでも心の底から楽しみ、笑顔が溢れていた。分かり合った仲間だから練習しなくてもまあまあ上手くいくという不思議。フィーリング。
この楕円球が二ノ丸組の3年間のストーリーを彩った。楕円球の不規則な回転のように運命のいたずらか、ボールを握った、握ってしまった高校1年生の4月。誰かに誘われなければ、何かのきっかけがなければ決して集まることのなかった仲間。それは運命であり、その運命は、これから先もこの12人を繋いでいくことになった。


 
9時半集合と連絡してもなかなか現れない二ノ丸組。ギリギリに現れたが、今日だけは受験を終えたばかりの選手もいたので許してあげることに・・・・
11名とマネージャー1名なので、毎年のことですがコーチ陣も3年生チームに入ることに。最初で最後のコーチ陣とのコラボ。実は毎年コーチ陣は楽しみにしています!
3年生VS Aチームのキックオフ
試合は3年生が先制しますが、ミス多く、現役もテスト期間中ということで凡戦の様相に。。。。。。。
現役も3年生のミスからボールを奪い、トライ。前半は1本1本の同点。
後半は3年生チームのペースに。下級生がメンバーを入れ替えたのでトライ量産。トライ後のコンバージョンは、普段は蹴らないFWが世界のキッカーを真似た演技で会場を盛り上げる!
試合の中で一番キレキレだったのは藤森コーチ??この日のために練習していたとか・・・・
お手本のようなチェンジアングルで誰にも触れられることなく、誰にも気づかれないプレーで主役を奪っていくあたり・・・・大の負けず嫌いが発揮されていました。
最後の試合ではマネージャー・岩永の15人抜きトライもあり、楽しい雰囲気で終了!



 
場所を移しての卒部式では、3年生からの熱い想いが語られ、心揺さぶられるシーンがたくさん。
「3年間辛いこともありました。そんな中でも、いつも周りにいた最高の同期達。一生の仲間です。これからもよろしく。ラグビーをやっていて良かった。努力の大切さに気付けました」
「毎日朝早くからご飯を作ってくれてありがとう。普段は言わないけど、本当に両親には感謝しています。ここまで育ててくれてありがとう」
そんなセリフが多数だった。その言葉に3年生の保護者は涙腺が崩壊。
自分の息子ではないセリフでもグッとくるものがあった。
子供が頑張っているのを大きく支えた両親。その支えをしっかりと感じ取り、最後には立派なセリフを言った、3年生達。


ラグビーは教育的要素が強いスポーツだ。痛み、厳しさ、辛さ、失う怖さ、仲間の大切さ、守ることの大切さなどを学ぶのには最適である。その経験を知ったものは、人に対して優しさや寄り添う力が身につく。
厳しい経験を乗り越えてきた12名。だからこそ、人生の道しるべを見つけたはずだ。
 
辛そうな姿を見て、ついつい手を差し伸べたくなるのが親である。しかし、そこはグッと我慢し子供が乗り越えるのを見守ることができれば子供は確実に自立していく。
安心してください。子供は親が思っているよりも強く育っています。
そんな成長を確かに感じ取る、卒部式だった。
だからこそ3年生が一番伝えたかったこと。
「最後までやりきれ。そこにある世界を見ろ。入学当初に求めていた世界があるから。夢を見続けてコーチ陣と仲間を信じろ。そして、早稲田ラグビーの誇りを守れ」

確かに受け取った二ノ丸組の意志。
もう誰も助けてくれる人はいなくなった。甘えは許されなくなった。早稲田ラグビーを背負う学年になった平田組。
お前らは忘れていないか。入学当時に誓った約束と熱い気持ちを。
男たるもの一番を目指せ。そこにチャレンジしあがき続けろ。
己の限界を知り、そして、限界を突破しろ。
その答えが出るのは8ヶ月後である。
二ノ丸組、卒部おめでとう!また、戻ってこいよ!お前の帰る場所はいつまでもここにある。