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VS淀川工科高校「グランドで交差する二つのチームの思い」

2015/11/05

試合終了の笛が鳴った。
試合には勝ったが、内容では完敗であった。
試合開始から一貫して激しくプレーしてきた淀川工科高校のファイティングスピリッツに、普段とは異なる感情と感覚を選手は感じていたことだろう。練習試合や新人戦、総体とは異なる、負けたら終わりの一発勝負に懸ける思いは、どのチームも同じなのである。グランドで交差する二つのチームの思いは、60分間ぶつかり続けた。負け=引退の二文字が背後から迫ってくる感覚は、人生で体験した者にしかわからない。



前半ファーストラインアウトでトライを奪い、2トライ目も早稲田摂陵が奪った。しかし、そこからは淀川工科高校ペース。最も注意していた7番のプレイヤーにブラインドサイドを破られ、10番がトライ。12-5.
直後のキックオフで敵陣ゴール前5mのラインアウトを得るが、痛恨のミス。ここから先、ラインアウトという起点を残りの時間ですべて失い、厳しい状況に追い込まれた。ラグビーはスクラム、ラインアウトのセットプレーが大切である。起点のプレーの出来不出来により、ゲーム様相は大きく異なる。
ビックチャンスを逃した後は、再び自陣に貼り付けにされ、7番のプレイヤーに二人のDF間を突破されゴール中央にトライされる。12-12.7番のプレイヤーは両チームの中で最も輝いていた選手である。
 


その後は、互いに譲らず同点のままハーフタイムを迎える。
同点という点数に選手の気持ちが動揺していなかったのは、前日に我々はチャレンジャーであるということ、相手は公式戦をすでに戦ってきていること、必ず接戦になると伝えていたからである。
  
後半、丁寧にプレーすることを心掛けた。起こり得る状況の設定を考え、3年生が下級生に示し続けた。
赤黒の重み、3年生としての意地、一発勝負の厳しさ、あらゆる言葉が思い浮かぶ中で、すべてはこの仲間と戦うチャンスをもう一度手に入れる。月曜日この仲間がグランドにいない光景、いつもとは異なる光景は恐怖の何物でもない。失う怖さを2年間見てきた3年生だからこそできるプレーがある。
だからこそ、1プレー1プレーを噛みしめ3年間のすべてを出し切ることを全員が心掛けた。


ゴール前に近づいたときには、FWにこだわりスコアした。一瞬たりとも油断は許されない状況下での戦いだった。後半20分に12点差だったスコアだが、淀川工科高校がPGを決め、24-15
その後も淀川工科高校の攻撃が続き、ラストワンプレーでトライを奪われ24-20で試合はノーサイドを迎えた。
あと5分、あと1プレーあれば試合結果はわからなかった。
相手の一つ一つのプレーを肌で感じ、たくさんのことを学んだ一戦だった。
 
淀川工科高校の皆様、ありがとうございました。
応援してくださったOB、保護者、関係者の皆様、ありがとうございました。
 

次戦の準決勝は 
11月8日(日)12時20分キックオフ @花園第二G
大阪桐蔭高校に決定いたしました。
たくさんの応援よろしくお願いいたします!