特集 第51代早稲田摂陵高校ラグビー蹴球部主将 二ノ丸 慧「原点回帰」
2014/12/20
早稲田摂陵に流れる過去最大の危機感。平尾組が負けた事実は我々の全てを否定し、警鐘を鳴らした。
結果的に昨年の1年間、徹底や当たり前という言葉とは裏腹に早稲田には心の隙があった。これぐらいでいいや、なんとかなるや、その場のしのぎのことで見て見ぬ振りをしてきてしまった。その流れは今の2年生にも流れていた。そうして難航したキャプテン選び。誰が適任なのか、どのようなチームにすべきか、どんな成長をしていかなければならないか、それを考えれば考えるほどあらゆる選択肢が出てきて・・・・いや裏を返せば選択肢がなかったのかもしれない。過去5年間で主将選びを迷ったことはなかった。
熊澤、津志田、平尾と早稲田の戦いの系譜を継承できるスキッパー、誰からも認められるスキッパーが存在した。その存在が正直新チームにはいなかった。
最後の試合で試合に出ていた2年生は2人。1年生は5人という事実がそれを物語っていた。
スキッパーが決まらない状態でスタートした新チーム。その様子を眺めながら、誰がふさわしいのかをコーチ陣で考えていた。主将は二ノ丸ではなく他の者に任せようかという意見もあった。それでも何か拭いきれない状態に、頭の中には?マークが飛び交う日々が続いていた。
そんな中、あるコーチがこんな言葉を発した。
『原点回帰』
我々がこだわってきたのはフィジカルの部分ではないでしょうか?昨年そこが一番チームとして甘かった。我々が結果を出してきたのは上手いより強い選手を育成したから。その早稲田摂陵らしさを守るなら二ノ丸が一番結果を残していると思います。
その言葉を聞いた時、雲がかっていた問題がはっきりと現れ、チームのイメージが閃いた。平尾組が敗戦した後、ずっとシャットダウンしていた早稲田摂陵ラグビー部に再び充電器が挿され、再起動され、新しい二ノ丸組がインストールされた。
原点回帰を一番先頭で体現できる男はこの男しかいない。誰よりも高みを目指し、誰よりも屈辱と後悔を感じ続けた2年間を過ごした男こそ、スキッパーにふさわしい。1年生にして史上最強と言われたあの津志田組でレギュラーを張ったこの男は、愚直で、責任感が強く、何よりも早稲田のタックルを体現できる。
「早稲田の誇りを取り戻します。赤黒にふさわしいチームになるためにはタックルがすべて。タックルがラグビーの醍醐味であり、観ている人の心を揺さぶるとおもっています。だから身体を張れない選手、毎日が最後だと思えない選手、フィジカルにこだわらない選手は上のチームにはどんだけ上手くてもいらないです。今年はそれに加えてラグビー偏差値をUPさせる。そして、早稲田は常に120%。僕がその姿勢を先頭に立って証明する」
茨木コンバインド、茨木ラグビースクール出身のポジションはFLで主将になりました二ノ丸慧です。
ラグビーを始めたきっかけは?
小学6年生の時に、友達に誘われて茨木ラグビースクールで始めた。
友達に誘われて入ったって言ってたけど、どうやって茨木ラグビースクールに入ったの?
1回、体験に行って楽しかったから。
ここでやろうと思った。
ラグビーの魅力は?
15人が1つになってATやDFをしてトライを獲ることです。あとは、1対1のぶつかり合いで勝った時の気持ち良さ。
3年生が引退して感じたことは?
3年生がいた頃は本当に頼りっぱなしだったなと思った。
どんなことを頼ってばっかだったの?
自分は怪我をしていて1年に教えたり出来なかったので、そういう面で3年生には頼っていたと思った。
主将になった時の気持ちは?
1年生から試合に出させてもらっていて、「お前、キャプテンや。」って冗談で言われていて、まあそれでもなってしまったんで、自分がなったからには1年間しっかりみんなを引っ張っていこうと思った。
自分が主将になると思っていたの?
「自分がなるのかな。」と思ってましたが、怪我をした時は「もう主将になれないな。」と思った。
主将のイメージは?
みんなの前に立って、みんなを引っ張っていくのが役目だと思った。
どんなことを引っ張っていくの?
プレー面、そして生活面でも引っ張っていきたいと思った。
昨年の平尾組、一昨年の津志田組から学んだことは?
やっぱり、体重の重要性。
他には?
後輩の意識の大切さ。
じゃあ、二ノ丸組と平尾組を比較すると?
2年生が頼りなさすぎっていうのがあって、それがプレー面にでたら1年生を引っ張っていけないっていうのが外から見ててわかった。
2年生のどこが頼りないの?
全部、全部。プレー面であり、体重であり、スキルであり、ランであり、パスであり、キックであり。
声出しとかは?
全部負けてると思う。
学校生活を見たら?
学校生活はまだ2年生が引っ張っていけてると思う。
昨年はどうして負けたの?
出場してる1年生、2年生が頼りなさすぎた。2年生よりも1年生の方が出場してる人数が多かった。それは情けないこと。3年生はみんなを引っ張っていこうと思ってたのに、それについていけてなかったことが敗因やと考えられる。
じゃあ、どうしたら負けなくて済むと思う?
普通は負けない、負けてはならない。意識が低い証拠。
主将としてはどうしたらいいと思う?
一回一回の練習が最後だという意識の徹底。危機感が足りなかったから、それを1年生、2年生に浸透させていかないといけないと思った。
じゃないとまた予選で負けると思うから、そこを改善していこうと思う。
二ノ丸組で絶対負けないというのは?
この代から新しく1番変えようとしているのは、ラグビー理解度を全員で上げることなので、そこでは負けたくない。藤森先生が過去の早稲田大学の資料や映像、膨大なプリントを作って、細かくそれぞれの注意点や判断基準などを示してくれるので、ラグビーの深さを感じて楽しいですね。考えることを今年は徹底して、判断レベルを上げていきたい。ビデオミーティングはどのチームにも負けないぐらい面白いんですよ!かなり頭使いますけどね(苦笑)
今までを振り返ってみて、早稲田摂陵ラグビー部は?
早稲田ラグビーを体現できていたと思う。今まで大変なことがわかったし、チームがバラバラになりそうなこともあったけど、最後は見に来てくれた人を熱くできるタックルができていたと思う。
今年はどんなチームにしたい?
今年の特徴はBKが今までにないくらい個人の知能が優れた1年生がいてくれているので、BKの展開にFWを混ぜた今までに見たことないようなBKとFWが一体となったラグビーを目指したいと思う。
最後に自己PRを!
自分は春に靱帯を切って、長い間グランドに立てていなくて、今では1年生の時の課題であったフィジカルをつけてきたので、新人戦の時には最強のFLとなってグランドに戻りますので、試合の時には7番に注目していてください!
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