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VS常翔啓光学園 『らしさの違い。今こそ変わらなければならない。』

2014/04/27

 
4月27日
対戦相手は常翔啓光学園。昨年の大会でも顔を合わせ、敗戦した相手である。
日本一を幾度となく成し遂げ、ラグビー界で啓光という名前を知らない者はいない。
決して大きな選手がいるわけではない。だけど、そこには文化と伝統が継承され続けている。あのゴール前を守る集中力、とりわけ人の心を揺さぶるタックルは全国でもNo1。
早稲田大学でも啓光出身の選手は活躍する。そのわけは、ラグビーは身体を張る選手が信頼されるからであろう。だからこそ、我々としても負けたくなかった。昨年のような競った試合にしたかった。
高校で一番タックルできるチームはケイコ―かもしれない、だが、大学ではワセダ。そんなお互いのチームが持っているDNAは、身体を張る選手と人の心を熱くするタックルにあるのだ。そんな相手だからこそ、尊敬しているチームでありタックルの雨霰で観ている人の心を揺さぶる熱い試合をみせたかったが、そんな願いとは裏腹にゲームは一方的な展開になった。
 
キックオフから啓光のペースで始まった試合。基本スキルとラグビー理解度で上回る相手が攻撃するたびにタックルで対抗するが、ジワジワとゲインを切られてしまう。それこそが、昨年のチームと今年のチームの異なるところ。一歩踏み込む勇気、コンタクトスピード、フィジカルなどすべての部分が少しずつ足りないチームは、常に相手に先手を打たれ、後手に回り続ける。
守れてはいる。だけど、そこにあるのは「ただ、守っているだけ」という言葉。
DFはボールを奪うまで、タックルは立ち上がるまでがタックル。ワセダで教えられている「Principle of Play」が守れていなければ、ゲームを支配、そして有利に進められないのは当たり前。反対に啓光にはその文化が当たり前のように継承され続けている。
ケイコ―には「らしさ」があったが、今のワセダに他のチームを上回る「らしさ」がみられないところが、ゲームを安定させられない。頼るところ、戻るところがないのだ。
ただ、守っているチームに必要なのは勇気を持ってさらに前に出ること、システムを超越したDFをすることである。それがなければ、いつまでも継続されズルズルとゴールラインを押されてしまう。
今日の啓光のDFを見ていれば、その差は歴然。そのフェイズはどんなフェイズなのかを理解し、ボールを奪うためのタックルがたくさんあった。攻撃をしても、素晴らしいタックルと越えていく意識の違いに10分間に10点という割合で失点を重ねていった。
 
後半は暑さ、フィットネスのなさにさらに失点のペースを重ね、良いところなし。
人のいないところを抜かれたわけではない。むしろ、二人の間を抜かれていくシーンが散見された。抵抗なき敗戦だった。0-59という結果は心に留めておかなければならない。負けてはいけない、だけど負け方にも良い悪いがあるはずである。悪い負け方だったことは間違いない。
もう一度、ワセダラグビーとは何かを考えなければ。
 
 
藤森コーチ
啓光さんの素晴らしいタックルと集散、抜けた後の追い上げなどすべてが勉強になる試合でした。一つ一つの基本プレーの精度と集中力の違いがプレーに表れており、反省ばかりです。
後半に入って、ゲームが締まらなくなりました。顔を下げている選手、声を出していない選手など精神面も鍛えていかなければならないと思います。
平尾組として何を強みにしていくのかもう一度考えていかなければならない。唯一良い点を上げれば、練習している継続の部分では良い場面がありました。だけど、変わらないといけない、変えていかないといけない。それには気づいていると思っています。