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VS大阪朝鮮『突きつけられるトップ6との差。グランドでの練習がすべてを物語る』

2014/01/30

1月26日
 
再びあの地に舞い戻った早稲田。
思い出すのは11月3日のノーサイド。
自信を持って臨んだ津志田組が打ちのめされたあの場所で、再び早稲田は戦うこととなった
先々週、先週と辛くも勝利をもぎ取った平尾組。
そこにある危機感を敏感に感じ取り、グランドで体現できる者がいなかったこの2試合。
その空気を一変させることが出来るのは、早稲田の看板を背負うこの男の復帰である。
  万全ではない二人のメンバーを戻すことには当初反対していたコーチ陣も、この2試合の結果とこの1戦が及ぼす今後の平尾組への影響を考慮し、ぶっつけ本番で先週から主将とSH玉矢を戻した。



  
それでも戻らないものがあったのは事実。日々のグランドにスキッパー不在が及ぼす影響は計り知れない。先週、あれだけアップを大事にするように指摘されていたにもかかわらず、試合前のアップでミスが目立つ。それが実力と言われればそれまでだが、ほんの些細なことで試合の流れが相手に行ってしまうのは先週学んだばかり。それが、改善されない原因はすべてはグランドの練習にあり。甘さ、責任感のなさ、厳しさが足りない。
人任せ、人の声だけに反応、自らが周りを奮い立たせることができないようでは甘い集団。
グランドの練習は裏切らない。試合前の準備ですべての結果はわかる。
 



 
13時20分キックオフ
 
キックオフから大阪朝鮮高校ペース。相手のいないところへ的確に走って来るランにジワジワとゲインを切られ、あっさりと二人のDFの間を突破され中央にトライされた。試合開始早々は緊張感は当然あるだろうが、それ以上にメンタルの弱さが露呈したシーンであった。
道を譲ったような出来事にまだまだ、ワセダとしての責任感と赤黒のプライドが感じ取れなかった。

 
その後も、相手の素晴らしい判断で8−9から裏にキックをされてトライをされるなど、個人能力の高さを見せつけられる展開に。
微妙なスキルや判断の差が、ジャブのように効いて来て我慢できずにトライをされる展開が続いた。
その差を解消する為に必要な練習は明確だが、素人チームではやるべきことが山積みであり、まだまだその課題は先である。細かいスキルよりも大きな部分。枝葉よりも木の幹を太くしなければいつかは倒れてしまう。
 


 
ハーフタイムでは
『コーチから練習でやっていることが出ていない。もっとキャリアとサポートの意識を高めなければなら、ラインアウトからゲインをたびたび切られている。もっと内側を厚くして守らないと1対1になっている。もっとボールを持って継続しよう』
と指示があり送り出されたワセダ。
 
後半も相手のペースで始まる。自らの足を引っ張るようなペナルティーで相手の強烈なモールにより失点を重ねる。ゴール前まで来て、トライを獲って帰るところがさすが全国常連校。学ぶべきことがたくさんある。
タックルはするものの、単発のタックルやパックを外すタックルなどが散見され、基本スキルがまだまだ足りていないことを痛感と同時に一人一人がまず強くあるべきであると思うような展開に。
トップ6で戦える力を持っているのはごく数人であり、フィールドにいるもののほとんどがなかった。
それでも後半の後半はフェイズを継続する時間が続いて、途中出場の佐々木が相手DFを3人引きずりトライかと思われたが、グランディングは認められず5mスクラムに。この攻撃も何フェイズも継続するものの決め手がなくミスしたところを切り返されトライされ、最終的には0−42で平尾ワセダは敗戦した。
 
 
 
藤森コーチ
先週よりは改善されたと思いますが、点数以上に差はあったと思います。相手もミスが多かったので助けられたシーンがありました。
この試合では、秋の大会で戦えるメンバーを見極める一つの試合でした。大阪の準決勝、決勝に進出するには、このレベルで対等に戦える選手が15名、25名、必要です。戦えていたのは数名です。まずは底上げしなければなりません。フィジカルレベルの向上が最優先です。これを軽視している選手は最後の大会には出場していないでしょう。
試合内容は、グランドの練習が悪い意味でよく出ました。ミスが多いのは集中力が低く、ラグビーの流れを理解していないところからはじまります。一歩ずつ遅れているんですよね。スキルを伸ばすのと同様にラグビー理解度、ラグビーの構造を理解させなければなりません。ただ、良くなった点もあります。そうゆう部分は練習している部分で、やられたのはまだまだ手を付けていない部分であるので経験値の低さにつけこまれましたね。
やるべきことはこの試合が終わってもぶれていません。計画通りのトレーニングを明日から進めていきます。強度を上げて4月の大会までに能力を上げていきたいと思います。すでにそのための計画とトレーニングを進めています。この差を埋めるのが練習であり、現状はこれぐらいの力しかないということを認めるしかないですね。でも、秋には戦えるようになります。