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VS上宮高校 『プレー選択が導く試合の流れ。平尾ワセダ未熟さと脆さを露呈』

2014/01/19

1月19日 VS上宮高校
 
ミスにミスを重ねてなんとか勝利した前回の試合。
そのミスを修正すべく練習した1週間。
あらゆる面で未熟さを露呈した平尾組。
そこにある未熟さを解決する方法は、すべての面においての変化、いや大きな変化が必要であるが、結論から言うと今日の試合で早稲田は変われなかった。ただし、大きなことを学んだ。ラグビーの奥深さを学んだ。


 
 
(先週から成長したSO沖中)

試合前から相変わらず浮ついた雰囲気でアップが開始される。ミスしているにも関わらず、フワフワしている状況が今のチームを表している。グランドに入ればそこでのミスはすべて試合に直結する。とりわけ、アップ前の合わせや試合前のアップの緩さは試合に直接影響を与える。常に最後の練習、最後の大会と思って臨まなければその緊張感は作られない。練習が始まってから、いやグランドに入ったら自分にあるスイッチをいかにOffからOnに変えることができるのかが大切である。

そんな緩い雰囲気で始まった試合。
キックオフからすぐにその状況を一変させるCTB吉田のビックタックル。
これには普段から厳しいコーチ陣も拍手、いや観ている人すべてが心揺さぶられた。前回の試合から好調の吉田が、ワセダラグビー=タックルという証明と赤黒にふさわしいプレーで戦いの火蓋は切られた。


(試合開始早々にビックタックルを体現したCTB吉田)

ここで、流れはワセダに来たかと思われたが、この日は観ている人がとてもストレスの溜まる、??なプレーの連続であった。
スコアが0−0の状況でもらったペナルティー。普通なら確実なタッチからモールというセオリーを無視したクイックリスタート。
全員が意思統一してのオプションなら理解できるが、数名の勝手な判断に結局はほとんどゲインを切れずに、相手ボールへ。
自分たちの強み、弱み、ゲームの流れを理解しないプレー選択に10分以上いた敵陣ゴール前で得点を奪えず、流れは次第に上宮高校へ。選択を間違えば試合の流れが相手に行くのは必然だった。
今度は一転、自陣ゴール前に張り付けられ、一回は相手の攻撃を防ぎマイボールになったが、ここでも??なプレー選択をし、まさかのインゴールノッコンにより相手にトライを献上する。
あってはならないプレー選択が負のスパイルを呼び込む結果となった。精神面の脆さと共にラグビーというゲームの構造を理解した選手の不足、リアルリーダーがグランドにいなかった。
加えて上宮高校のしつこく、勤勉に前に出てくるシャローDFに一進一退のゲームが続き、DFゲームの様相に。
そんな中、前半終盤でもらったペナルティーで今度はタッチへ。ゴール前のラインアウトモールからFWがトライを奪う。前半の最初になぜ、このようにタッチに出さなかったのか?なぜこのプレーを選択しなかったのかリーダーは猛省しなければならない。
そして、前半ラストプレーでゴール中央にてペナルティーをもらい、その選択に注目されたが・・・・・・
クイックスタートをしようとしたので、さすがにこれには藤森コーチを筆頭に「ショット」のコール。しかし、グランドにいるリーダーがその判断を下さなかった、下せなかった瞬間、このPGが決まるか決まらないかの結果はわかっていた。案の定、ゴールの右にそれて前半を7-7で折り返す。


 

ハーフタイムで藤森コーチからカミナリが落ちる。
「どこのエリアでプレーをしているのか。前半は風上。自陣ゴール前から無理して攻める必要があったか?その結果、キックを蹴らずに無理をしてトライを取られた。それに前半最初のプレーでペナルティーをタッチに出さなかった。その結果が今の点数である。相手もDFが前に出てきているし、タックルも良い。簡単にスコア出来る試合ではない。堅く相手のエリアに入って敵陣に入ったらタッチ、そしてショットを後半はするように。プレー選択をリーダーはしっかりと」と厳しい指摘をされ、送り出された選手たち。
そんなアドバイスを受けて後半に臨んだなか、後半早々にもらったペナルティーでまたもクイックリスタート。これにはベンチにいる藤森コーチもオカンムリ。その後、トライはとったものの、そこには統率されたチームの姿はなく、自分勝手なラグビーをするものの集まりという状況だった。
真のリーダーとラグビーというものを根本的に理解し、ゲームを進めることができる者がいないという事実がグランドにはあった。リーダーとは他の者を統率し、常に冷静な判断で状況を見極めなければいけない。


その後、2トライを追加して22-7と辛くも勝利したがなんとも後味の悪い試合となった。
 
 
(写真提供・北川さん)

藤森コーチ

ご覧の通りの内容です。正直、ここまでリーダーが正しい判断をできないとは思いませんでした。ここの部分は、かなりコーチングしなければいけないなと。
昨年のチームがどのように戦っていたのかを見ていないのが出ましたね。平尾組はかなりそうゆう部分の責任感とか継承すべきことが出来ていません。
1年生の方がフィジカル面とかでも意識が高いです。
今日の試合では、たくさんのことを学ばせていただきました。一つの選択ミスがあらゆるところに影響を及ぼし試合が崩れました。もっとラグビーを理解する必要があるので、ミーティングで解決していきたいと思います。
上宮高校さんの前に出るDF、ジャッカルは素晴らしく、前半が終わるまで修正できませんでした。ハーフタイムで何人かの選手に前に出るDFを攻略する為に方法を指示しました。その一人であるSOの沖中は後半になって良くなりました。
そんな中で、1年生の二ノ丸がチームを支えました。彼は昨年からAチームで出ているだけのパフォーマンスを示してくれました。信頼のおける選手です。ゲームキャプテンの磯崎も身体が大きくなってプレーが良くなりました。ただ、まだまだリーダーとしては静かですし、先頭で戦っていかなければなりません。
すべきことはたくさんありますが一つ一つ解決するしかありません。もちろん計画はあるのでその時期で必要なことをやっていきます。これから日々の練習をどれだけ大切にできるかですね。