VS桜塚高校 『最多得点記録更新の裏にある心の闇』
2013/01/20
目の前に繰り広げれた光景は今までに見たことのない試合展開である。
積み上げた得点は120点。この120点は偶然ではなく、必然である。
この3年間の努力の積み重ねがあったからこその数字。
決して急には積み上げられない数字。少なくともある程度の力を持っていなければ達成できない数字だろう。
昨年の熊澤組の新人戦では不可能であった。それはつまり、昨年の今頃より格段にチームとしての基礎力とゲームマネジメント力が上がったことに他ならない。求められるレベルも高いだろうしそれと同時に周囲の僕らを見る目も違う。そのプレッシャーを楽しめる力とモチベーションコントロールが可能になってきた。
3年生が抜けた穴はどのチームも大きく、埋められない大きな穴もある。チームの安定感は低下し、ぐらつきが起こるのが新チームに変わる瞬間だ。
それはまるでジェンガのようなものだ。土台の安定しないジェンガはぐらつき、一瞬にして崩壊してしまう。しかし、そこに長期的なビジョンを持ち、Aチームだけでなく、未来を見据えた選手起用、さらにはチームスタイルの確立がチームに安定感をもたらし、ジェンガのどこかが抜かれても問題はない。トップ6はその層の厚さから3年生が抜けても影響は最小限の収めることができるが、僕らのような底辺から上がっていくチームにはこの瞬間が一番もろいチームになる
。
熊澤組が引退し、その夢のバトンは津志田組に渡された。熊澤組にはなかった(経験者)という言葉を少し借りて。だが、それはほかのチームには遠く及ばない数であり、経験がすべてを変えるものではない。完全なるド素人軍団ではなくなったが、素人という言葉は津志田組にも色濃く残っている。それはスキッパー・津志田に象徴されているように。
津志田組初戦の相手は真島組が変革を受け入れるきっかけを作った、桜塚高校。
あのとき勝っていなければ、今の早稲田摂陵はこの境地にたどり着いていないかもしれない。過去があるから未来がある。ただ、過去ばかり見ていてはなにも生まれない。
あの時から、早稲田摂陵がこの3年弱という時間でどのような歩みを歩んできたのかが確認する試合であった。
花園予選ベスト4は熊澤組が成し遂げたものであり、津志田組のものではない。
だからこそ、自分たちの手で何かを成し遂げなければならないのである。遠い空に見える一筋の光を探し求め、今年も長く、苦しく、早稲田らしい1年間を過ごすことになるだろう。本気という言葉にある先に見える世界を探し求めて・・・・
前日練習が終わり、コーチからこのような言葉があった。
『この初戦はただの1試合でなく、津志田組の命運を握る試合である。しっかりとモチベーションをあげていこう。』
試合前の円陣で津志田が気合いを入れる。ただ、そのぎこちない台詞が新チームらしく、そして津志田らしいと言えばらしいのだ。
『男はだまって身体を張ればいい』
そんなオーラを漂わせる主将から出た渾身の言葉にモチベーションは最高潮になった。
13:20分 キックオフ @千里高校
最初からエンジン全開。ギアをフルスロットルに入れて、まるでドイツの高速道路(アウトバーン)を走っているように攻撃の手を緩めない。ただし、そこを走っているのは真っ赤なフェラーリやポルシェのような速い車ではない。純粋な国産車がアクセル全開でがんばっているだけだ。絶対的な選手がいなければそれを全員でカバーし、一つ一つのトライを愚直に奪いにいく。手は抜かない、そんなことできるような器用なチームではない。自分たちのことで精一杯。
デビュー戦の者もたくさんいた。ただ、その選手達は自分たちを磨き、力を蓄える期間を経てこの場所に立っている。もちろん緊張はあるだろうが、それよりも試合に出ることが出来る喜びを感じていたに違いない。周りのリズムにうまく乗り、公式戦初出場を力に変えてチームの歯車となって全員が連動していた。そのような60分間が終わった先に結果はついてきた。
摂陵時代から含めて最多得点記録を更新した。ただ得点よりも勝ったことが大切。
勝つことが早稲田ラグビーにおける使命。昨年の新人戦と同様、準決勝の地にたどり着いた。
次の相手は伝統と歴史のある関西創価高校。挑戦者として全力で挑みたい。
藤森コーチ
『勝つことはもちろんだけど、トライまでの過程の中でどのようなプレーが起きたのかが大切であり、点数にはあまり興味はない。逆にこのようなゲームでは1つのミスや軽いプレーはとても目立つので注意した。
東郷や沖中、大井など良い仕事をしていたと思う。十分責任を果たしていたしこれからの成長が楽しみ。
次の試合はタイトなゲームになると予想されるし、一つのミスで一気にゲームを持っていかれる危険性がある。大勝のあとのゲームは心が緩みがちになるので一番注意しなければならない。選手はもちろんだが指導者としても結果だけ見て悪い所に目がいなくなる。試合が終わった瞬間にはもう次の試合のことだけ考えてます。もちろん選手たちにも釘を刺しておいたので浮かれてはいないでしょうけど。
今週1週間しっかりと練習を積んで挑戦者として挑みたい。』
積み上げた得点は120点。この120点は偶然ではなく、必然である。
この3年間の努力の積み重ねがあったからこその数字。
決して急には積み上げられない数字。少なくともある程度の力を持っていなければ達成できない数字だろう。
昨年の熊澤組の新人戦では不可能であった。それはつまり、昨年の今頃より格段にチームとしての基礎力とゲームマネジメント力が上がったことに他ならない。求められるレベルも高いだろうしそれと同時に周囲の僕らを見る目も違う。そのプレッシャーを楽しめる力とモチベーションコントロールが可能になってきた。
3年生が抜けた穴はどのチームも大きく、埋められない大きな穴もある。チームの安定感は低下し、ぐらつきが起こるのが新チームに変わる瞬間だ。
それはまるでジェンガのようなものだ。土台の安定しないジェンガはぐらつき、一瞬にして崩壊してしまう。しかし、そこに長期的なビジョンを持ち、Aチームだけでなく、未来を見据えた選手起用、さらにはチームスタイルの確立がチームに安定感をもたらし、ジェンガのどこかが抜かれても問題はない。トップ6はその層の厚さから3年生が抜けても影響は最小限の収めることができるが、僕らのような底辺から上がっていくチームにはこの瞬間が一番もろいチームになる
。
熊澤組が引退し、その夢のバトンは津志田組に渡された。熊澤組にはなかった(経験者)という言葉を少し借りて。だが、それはほかのチームには遠く及ばない数であり、経験がすべてを変えるものではない。完全なるド素人軍団ではなくなったが、素人という言葉は津志田組にも色濃く残っている。それはスキッパー・津志田に象徴されているように。
津志田組初戦の相手は真島組が変革を受け入れるきっかけを作った、桜塚高校。
あのとき勝っていなければ、今の早稲田摂陵はこの境地にたどり着いていないかもしれない。過去があるから未来がある。ただ、過去ばかり見ていてはなにも生まれない。
あの時から、早稲田摂陵がこの3年弱という時間でどのような歩みを歩んできたのかが確認する試合であった。
花園予選ベスト4は熊澤組が成し遂げたものであり、津志田組のものではない。
だからこそ、自分たちの手で何かを成し遂げなければならないのである。遠い空に見える一筋の光を探し求め、今年も長く、苦しく、早稲田らしい1年間を過ごすことになるだろう。本気という言葉にある先に見える世界を探し求めて・・・・
前日練習が終わり、コーチからこのような言葉があった。
『この初戦はただの1試合でなく、津志田組の命運を握る試合である。しっかりとモチベーションをあげていこう。』
試合前の円陣で津志田が気合いを入れる。ただ、そのぎこちない台詞が新チームらしく、そして津志田らしいと言えばらしいのだ。
『男はだまって身体を張ればいい』
そんなオーラを漂わせる主将から出た渾身の言葉にモチベーションは最高潮になった。
13:20分 キックオフ @千里高校
最初からエンジン全開。ギアをフルスロットルに入れて、まるでドイツの高速道路(アウトバーン)を走っているように攻撃の手を緩めない。ただし、そこを走っているのは真っ赤なフェラーリやポルシェのような速い車ではない。純粋な国産車がアクセル全開でがんばっているだけだ。絶対的な選手がいなければそれを全員でカバーし、一つ一つのトライを愚直に奪いにいく。手は抜かない、そんなことできるような器用なチームではない。自分たちのことで精一杯。
デビュー戦の者もたくさんいた。ただ、その選手達は自分たちを磨き、力を蓄える期間を経てこの場所に立っている。もちろん緊張はあるだろうが、それよりも試合に出ることが出来る喜びを感じていたに違いない。周りのリズムにうまく乗り、公式戦初出場を力に変えてチームの歯車となって全員が連動していた。そのような60分間が終わった先に結果はついてきた。
摂陵時代から含めて最多得点記録を更新した。ただ得点よりも勝ったことが大切。
勝つことが早稲田ラグビーにおける使命。昨年の新人戦と同様、準決勝の地にたどり着いた。
次の相手は伝統と歴史のある関西創価高校。挑戦者として全力で挑みたい。
藤森コーチ
『勝つことはもちろんだけど、トライまでの過程の中でどのようなプレーが起きたのかが大切であり、点数にはあまり興味はない。逆にこのようなゲームでは1つのミスや軽いプレーはとても目立つので注意した。
東郷や沖中、大井など良い仕事をしていたと思う。十分責任を果たしていたしこれからの成長が楽しみ。
次の試合はタイトなゲームになると予想されるし、一つのミスで一気にゲームを持っていかれる危険性がある。大勝のあとのゲームは心が緩みがちになるので一番注意しなければならない。選手はもちろんだが指導者としても結果だけ見て悪い所に目がいなくなる。試合が終わった瞬間にはもう次の試合のことだけ考えてます。もちろん選手たちにも釘を刺しておいたので浮かれてはいないでしょうけど。
今週1週間しっかりと練習を積んで挑戦者として挑みたい。』